夜のてんてき

よるに書く日記

日記5 

バレンタインの話。

 

 

先々週末に私は何時間もかけてバレンタインのチョコレートを選んだ。全部で5つ。全部のチョコが隅から隅まで本命で、あげたい人の分だけ、あげたい人にあげたいものを選んだ。1つは恩師に、2つ目はチャーミングで可愛いおじさまに、3つ目は付きっ切りで私のお世話をしてくれるスケべな上司に、4つ目は私を守ってくれる優しい上司に、5つ目はいつも私の頭の中をいっぱいにしてくる大好きなあの人に。

でも結局私は今年のバレンタインをふいにした。

 

バレンタインの日私は会社に行かなかったんだ。でも行かなくて良かったと後から知った。

彼は、当日の夜、私の知らない女の子とご飯をしてチョコをもらっていた。そんなちゃんとした、食事付きの100点の楽しいバレンタインの夜のおまけになるなんて絶対に嫌だったから、あげられなくて正解だったんだと思う。

もちろんその人と彼が付き合ってしまうかなんて私にはわからないけど、でもやっぱり私の知らない世界で、私の妄想が及ばない距離に、彼の人生があるんだって思うとすごく辛かった。当たり前すぎるけど、でも近くにいてほしい、同じ世界に住んでいたいっていうのが恋愛感情だから。私は普通に、真っ当にショックを受けた。ちゃんと恋してたから。

 

先週の頭、私は会社で1人でパニックを起こして1週間丸々会社を休んでた。

それがバレンタイをふいにした理由。

会社に毎朝全休します。全休しますと送る作業だけして、あとは寝ていた。時々ふいにどうしても気持ちよくなりたくて、美味しいご飯を作って食べたり、高いものを買いに行ったりした。能動的なことを何もしていなくても、買い物やネットで常に刺激を絶え間なく送り続けることができるから、今ってすごくつらい。

 

玄関に置きっぱなしになっているチョコレートの紙袋と目があうとすごく苦しくなる。ネットのホワイトデーの記事を見てもムカつく。

 

私は彼が自分に気がある気がしていた。本当に好きなんじゃないかって思うときが良くあった。でもそれは本当に気がしていただけだから。ロマンチックな妄想の世界に住んでいたのに、ふいに一番おきて欲しくなかったことがおきちゃった。あの時の仕草や、空中でかわしていた視線の長さは?って恨めしくなる。

 

来週会社に行きたくない。仕事をサボった後ろめたさじゃなくて、彼に心配されたいから。私に元気がないって気が付いて欲しい。向こうから連絡が欲しい。

 

馬鹿だけど本当にそんなこと考えてる。どうしたらいいんだろ。

手を滑らせて、私あなたのこと好きだよって送ってしまいそうぐらい馬鹿になってる。