夜のてんてき

よるに書く日記

日記4 

年末年始のことを何も書き留めていなかった。

いつも目の前を見ているようで見ていない。人生を生きていない。という映画の中の悪役の台詞が頭に残った。

 

年末はなるべく実家に帰りたくなくて、31日の夜まで家にいた。溜めていた洗濯をしたり、買ったまま半年も植え替えずにいた植木を植え替えた。

今は植え替えの時期ではないとネットで知ったけど、かさかさになって水を吸わなくなった土が気がかりで、どうしても変えたかった。ふにゃふにゃのプラスチックポットの中でミミズみたいにみずみずしい根っこがかたく伸びていた。

 

洗濯をしたり、買い物をしたり、掃除をしたり、物を捨てたり。創作活動以外の、ありとあらゆることをした。この1年、私は頑なに創作活動から逃げていた。理由は明白で、ただ怖いからだった。

 

去年の夏、会社のデスクに座っていると動揺が収まらなくなった。私は社会不適合者なんだって思い込みを形にしたくて、ADHDの診断をもらった。自分がADHDかどうかなんて、本当にどうでもよくて、でもただパニックを起こしては、薬を飲んだり、お酒を飲んだり、タバコを吸ったりした。時々食べ物を吐いて見たり、知らない人に若いからだを提供した。私は人と違うっていうことを、自分のために演じて見せているようだった。きっとそうだった。

 

流れに逆らうことに必死で、苦しかった。高校の時や、大学入学したての時を思い出した。生きるのって難しいよねって、毎日のように自分では思っているけど、人から言われると何だか殴りたい気持ちになった。何だか私は1年間、地球以外の何処かで生きていたような気がした。いつも不機嫌で、何かに不満を持って、不安を抱えていた。

 

私はなんとかなるって自分に言い聞かせながら、毎日繁華街をふらついているだけの年始だった。創作をしていないと異様にお金が減る。自分を過信してはいけなくて、でも過去を後悔してもいけなくて、現在の現実を、フィルターなく見つめること。でもこれがどうしてもできない。なぜだかわからないけど。